バッハの無伴奏チェロ組曲ファゴット版に寄せて アーティストインタビュー!

3月28日発売新譜として、チェコ・フィルの首席ファゴット奏者オンジェイ・ロスコヴェッツさんによるバッハ無伴奏チェロ組曲のファゴット版がリリースになります。

無伴奏チェロ組曲といえば、
様々なアーティストが様々な楽器で取り組む、音楽史上燦然と輝く名曲です。
あたたかな音色で独特の管楽器文化を育むチェコで、
チェコ・フィルの首席として、その文化を代表する名手が
バッハへの敬愛に満ちた素晴らしい演奏を聴かせてくれています。
ファゴットで演奏する難しさや心を砕いた点など、お話を伺いました。
 
Q1 今回、ファゴットで無伴奏チェロ組曲を演奏するにあたり、
調性や音型や、何か特別な調整を施す必要はありましたか?
 
ロスコヴェッツ(以下、R):そのような変更をなるべく行わないように心がけました。調も音域も原曲のままです。
ただ、ファゴットでは重音ができないので、唯一、調整する必要があったのが、
声部の中に和音が出てきた場合に、それをアルペジオのように演奏したことくらいです。
 
Q2 ファゴットでこの作品を演奏した場合、有利な点は何だとお考えでしょうか?
 
R:そうですね、何か利点があるとすれば、複雑なパッセージでも音程がより安定しているところでしょうか。
 
Q3 反対に、何か不利な点はあったのでしょうか?
 
R:最大の難問は、息、又は息継ぎだったと思います。この作品を管楽器で演奏する場合、息継ぎによって、
きちんと方向性を持って音楽的なフレーズを作っていくことができます。
しかし、一方で、息継ぎをする際には非常に高度な技を求められるところがたくさんあります。
今回も、何箇所かどうしてもフレーズ途中での息継ぎが必要な所があり、大変苦労しました。
 
Q4 ファゴットでこの作品を演奏することで、何か新しい発見などはあったのでしょうか?
 
改めて、素晴らしい音楽だと思いました。この作品を演奏したり、もちろん録音のために準備するということは、
単に演奏会やCDで鑑賞する場合と全く異なります(私は、準備に2年かかりました)。
私はバッハが大好きで、子供の頃からバッハの作品を聴いていますが、
本当に天上の音楽であり、バッハの時代にそうであったように、
今、この現代に、バッハを通じて神様が私たちに
話しかけてくれているように感じます。
 
Q5 日本の音楽ファンの皆様に一言…
 
プラハより日本の皆様に心をこめてご挨拶をしたいと思います!!
皆様が今回の新しいCDを聴いて、楽しい時間を過ごして頂ければ本当に幸いです。
また、日本の皆様は、世界を見渡しても、本当に素晴らしい音楽ファンだと思っていますので、
また皆様の前で演奏する機会があることを楽しみにしています!
 
音楽に対しても、バッハに対しても、そして音楽ファンに対しても誠実な名手です。
ファゴットという楽器の可能性を遥かに超越し、見事なバッハの宇宙を聴かせています。
ぜひご期待ください!

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